「引き抜かれた者として」
ペトロの手紙一 1章1-2節

ペトロはエルサレムに最初の教会がつくられた時、リーダーとして働いていた。そのペトロが、「ポントス、ガラテヤ、カパドキア、アジア、ビティニアの各地に離散して仮住まいをしている選ばれた人たちへ」書いたのが、この手紙である。この5つの地域は、ローマ帝国の州の名前である。1世紀後半の当時、この地域に、教会が幾つもあり、それらの教会のクリスチャンたちはローマ帝国の迫害に遭いとても苦労していた。そのような教会とクリスチャンたちを励ますために、ペトロはこの手紙を書き送ったのである。ペトロは、これらの地域にある教会の人々を、「各地に離散して仮住まいをしている選らばれた人たち」と呼んでいる。ユダヤ人は大国との戦争に敗れ、各地に離散していたのだ。その各地に散らされたユダヤ人をはじめ、異邦人の中からもイエス・キリストを信じる人々が起こされ、各地に教会が生み出されていったのである。
今日の聖書箇所には、わずか2節の短い文章の中に、“選ばれる”という言葉が2回出て来た。選ぶ、という言葉は、新約聖書の原語であるギリシア語では、元々“引き抜く”という意味がある。私たちが神様に選ばれるということは、この世から根こそぎ引き抜かれて、天の国に植え替えられるということである。ペトロ自身がイエス様に出会い、弟子になり、行動を共にし、しかしイエス様を裏切る経験をし、復活されたイエス様に赦され、使徒として召されている。ペトロは、心の中に残っていた根っこを引き抜かれる経験をしたのである。
私たちも、神様に救いへと招かれている。イエス様は命をかけるほどに私たちを愛してくださっている。引き抜かれた者として、信仰の道を歩んでいきましょう。
牧師 三浦 啓

